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はじめに
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- @kuskai_chinitai
インターネット無料物件とは
このサイトをわざわざご覧になっている方に対しては、もはや説明不要かと思いますが、念のため前置きさせてください。
一言で言うと、管理費(場合によっては家賃)に利用料が含まれていて、(多くの場合)面倒な回線契約や初期設定がない代わりに、基本的に指定された固定回線しか利用できない というものです。
管理費(家賃)に利用料が含まれているなら実質有料じゃないかという指摘はまさにそのとおりですが、不動産会社などはあくまで 「インターネット無料」 物件としてプラスアルファの付加価値的にアピールポイントとして利用しているのが現状です。(重要)
賃貸用インターネットのスキームの例
一見すると上記スキームには特に問題が無いように思えますが、実は以下のような注意すべき点があります。(問題が多すぎるので一部のみ)
費用について- まず「無料」ではないこと
- 入居者が実質的に支払っているインターネット利用料が不明なこと
- 多くの場合賃貸不動産オーナー(管理会社)はインターネットの知識に乏しく、契約したサービスの詳細について理解していないこと
- 結構しつこく問い合わせないと導入サービスなどの詳細を事前に知ることは困難です
- 賃貸用インターネットプロバイダーと賃貸不動産オーナーとの契約内容が不明なこと
- 特に利用料金については、契約を盾に開示されることはありません
- 無料インターネット導入物件においては、インターネット利用上のトラブルやクレームはすべてサービス事業提供者に丸投げされていることがほとんどであること
- 無料インターネット導入物件においては、導入されている意外の固定回線を個人的に導入することはとてもハードルが高いこと
ここでのポイントは、賃貸契約者が不利な状況でインターネット利用料を支払い、インターネットを利用しなければならないという点です。
インターネット無料物件についての現状
昨今のコロナ禍以降、テレワークの普及により一部の格安物件を除き、急速に 「インターネット無料」 の物件が増加しているように感じます(管理人体感)
賃貸不動産検索サイトでの例
これについて、2023 年現在、例えば新築築浅物件に限定すると、「インターネット無料」を 検索除外条件 として設定したい程度には導入が進んでいるように思います。(管理人体感および賃貸不動産サイトでの検索結果)
賃貸契約者は条件がよいきれいな物件を選ぶ際に、「インターネット無料」物件を避けることが難しくなっている現状があります。
賃貸に付帯する無料インターネットの何が問題なのか
冒頭の インターネット無料物件とは でも少し触れたとおり、現在の賃貸に付帯する無料インターネットには問題が多いと管理人は考えています。
この「問題」については大きく 2 つに分類できます。
それぞれ解説します。
トラブルが発生時にできることが少ない
こちらについては、読んで時の如くですが、賃貸の無料インターネットの評判を下げる一因となっている重要ポイントです。
実質的に賃貸に付帯する有償インフラサービスにもかかわらず、賃貸不動産オーナーや管理会社は知識に乏しく、トラブルが発生した際に、すべてサービス事業提供者に丸投げします。
サービス事業提供者、賃貸不動産オーナー(管理会社)、入居者の三つ巴の戦いが始まります。
トラブル発生時のサポートに賃貸不動産オーナー(管理会社)が介入せず、サービス事業提供者に問い合わせるように誘導されますが、いざ利用者が問い合わせると以下のような返答が行われ、状況が改善することは稀です。
- (サービスで利用している)上位回線事業者の設備で輻輳が起きているため、こちらで出来る対応は少ない
- 回線増強などの対応については、 賃貸不動産オーナー(管理会社)との契約の兼ね合いから具体的な案内は難しい
- 提供サービスは帯域保証をするものではなく、ベストエフォート型であるため、こういった状況についても何卒了承いただきたい
総じて、「上位回線事業者」や賃貸不動産オーナー(管理会社)との契約、ベストエフォートサービスであることを根拠に「やむを得ない」状況を理解して納得するような案内がされます。
賃貸入居者の選択肢を制限している
無料インターネットがまともに利用できない状況なのであれば、自前で別途固定回線を契約しようと考える方も居るでしょう。
しかしこれは多くの場合困難です。管理人の経験上、賃貸不動産オーナー(管理会社)は、入居者が固定回線を敷くことに対して難色を示します。
これは、固定回線を利用するためには多くの場合追加の工事が必要になるためです。
工事の際に、壁に穴をあけたり、装置を接着テープなどで固定したりします。
そういった対応については、資産価値の低下を懸念する賃貸不動産オーナー(管理会社)から理解を得ることは難しいでしょう。(特に新築築浅物件)
また、回線工事時にMDF盤と呼ばれる建物内に存在する終端装置へのアクセスが必要となる場合があり、賃貸不動産オーナー(管理会社)に無断で導入を行うことはできません。
おまけに、着手後に結果建物の構造上工事を断られるケースもあるようです。
無料インターネットがまともに利用できず、自前でのインターネット契約も難しく、「我慢して使う」か「引っ越す」意外の選択肢が実質的に取れなくなります。
まとめ
- インターネット無料物件が急増しており、これを避けて、比較的条件のよい賃貸に入居することが難しくなっている現状があります
- インターネット無料物件において「回線速度が遅い」場合、取れる選択肢はほとんどなく、我慢して使うか、引っ越す以外に取れる手段はほとんどありません
- 自前で別途固定回線を契約することについても、非常にハードルが高く、もはや引っ越した方が早いまであります
- インターネット無料物件に入居する場合、導入されているサービスがまともに利用できるものなのか、事前に調査することが非常に重要です
当サイトのコンテンツはインターネットヘビーユーザーに向けてのものとなるため、モバイル回線を利用したWiFiサービスの契約については基本的には考慮外としています。